2012年5月10日木曜日

連休の思い出

芥川賞作家の金原女史は中下巻を3日で読み終えたそうだ。恐らくは連休中、または時間の存分にある学生時代に読んだのだろう。わたしがこのGW中に新幹線の中で読もうと購入した"カラマーゾフの兄弟"中巻は、未だ200ページも読まれていない。それでも一年くらいかけて読もうと始めたので、いささか早すぎるくらいである。

先のGWは実に有意義だった。えーと・・・何をしていたのかはよく思い出せない。そうだ、前半は仕事をしていた気がする。資料作ったり、上京中の漫画家さんと打ち合わせしたりとか。久しぶりに同居人と近所で朝方まで飲んでたような。

後半は間違いなく充実していた。昼間は本読んで(カラマゾフに非ず)昔馴染みの仕事仲間とガッツリ飲んで。しかも飲んだ土地が西国分寺だったのも趣深い。更に翌日は地元の旧友と古い蕎麦屋で飲んだ。皆一線で死力を尽くしている男たちなので、酒の享楽を通じてとても励まされる。齢三十も半ばになると、手に入らないものの多さに愕然としつつ、良き友人が大切な心の支えとなるを知る。

その翌日は早朝から、若い友人夫婦の結婚式のため京都へ向かった。私自身も永らく待ち望んだ、非常におめでたい日だ。他人の幸福を心から祝福できるというのは、じつは未熟な俗人にとっては希少な機会なのだ。酒は嗜まずとも、まず満足。それにしても、京都という土地は何時訪れてもまるで変わることがない。そこで暮らしている以前の友人たちも、何ひとつ変わった様子がないように思う。私がアメリカへ発ったのは6年前。わたしはこの違和感を得るためだけに大陸をさすらったのだろうか。齢三十も半ばになると、苦い感傷を菜根の如く味わうを知る。

さて、そろそろ熟しきった春野菜の天ぷら、これから旬の鮎が旨い。わたしは頭から丸ごと食べる派なので、あまり大振りのものは好まない。


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